ドゴォォォォン!

言葉とは裏腹に、マスターは外套をつかんだままこちらに手をかざし、魔術によるエネルギー弾を打ち込んできた。
予備動作も全くなしのゼロ距離射撃に、俺はその爆発を避けることも出来ずに、校内の壁際に吹き飛ばされる。

「うぐっ。……マスター!?」
吹き飛ばされた俺を、マスターは無表情に冷たく見下ろす。
「マスター、私だ。アーチャーだ!私のことがわからないのかね?」
だが、返事は返ってこずに、マスターは黙ったまま片手に干将・莫耶を呼び出しこちらに構える。
それはまるで俺の投影魔術と同じだった。

何故だ?マスターの俺に対する様子もおかしいが、本来 彼女にあれほどの魔術を扱える能力は備わってなかったはずだ。今まで私が鍛えてきたからと言って、急に出来るようになれたとは思えない。
俺の投影魔術の模倣すらしてみせたマスターに、俺はただ呆然とマスターを見つめることしかできなかった。

マスターは何ら表情を変えずに、俺に向かって静かに告げた。
「・・・・・・ムーンセルは貴方達を敵と認識しました。これからアーチャー、あなたとこのマスターともども不良データーとしてデリート(抹消)します。」

「ッ……!!」
やはり…ムーンセルのせいなのか!!
マスターの体を使って、ムーンセルが自身を害する可能性のある不良データーである私の抹消を図ってきたということか。
「……マスターに、何をした?」
目の前のマスターの姿にめまいを感じる思いで、事態を理解する糸口を引き出そうと、俺はマスターの口を借りて話すムーンセルに話しかけ続ける。
「先程はエナミーを送りましたが抵抗したようですので、あなたのマスターに新たにプログラムウィルスを感染させました。無駄な抵抗はおやめなさい、アーチャー。」
「ウィルスプログラムを使って、マスターを操っているというのか!!!」
返答はなく、マスターは彼女自身が呼び出した干将・莫耶を手に、俺に切りかかった。
自分が守べき主を本気で斬るわけにはいかず、俺はマスターの振るわれた剣を薙(な)いで払うだけのつもりで剣をふるう。
だが、刃を重ねあわせと、あわせた刃からは…マスターはただの人間であるはずなのに…サーヴァント並みの力が伝わり、俺の干将・莫耶はマスターに打ち払われた。
そして素手になった俺の胸に、マスターの剣の突きが刺さらんとせまった。

ドォン!!
カラカラカラーン!

胸にささらんとした剣は、次の瞬間、剣の横から打ち込まれた魔法弾によって跳ね飛ばされた。
予めマスターへの直撃を避けたのであろう魔法弾の触撃の余波で、マスターも床に転がっていく。

「あんたたち何やってるのよ!」
……凛か!
魔法弾を飛ばしたであろう凛が、驚いた表情でこちらに叫ぶ。



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