心の師、そして…

アーチャーが料理が出来るなんて知らなかった。男のくせに器用なやつだと思う。いつも相棒の持ってくるおにぎりは中に入ってある具が海老天だったり炊き込 み風の握り飯だったりで芸が細かくいつまで食べても飽きない。
だが、今日はあいつに黙って食堂で食べることにした。

食堂に行ってみると、ダン卿が食事をし ていたので、離れて座ろうとした…その時、、、
「こちらに来て食べるがいい…」。
紳士然としたその一声にオレは、ダン卿と食事を共にし得難き会話を交わすこと ができた。
ふと、ダン卿がこちらの後ろをじっと凝視する。

振り向くと、そこには紅いオレのアーチャーがいた。
「アーチャー、お前そこにいたのか?」
「どうして黙って 行く?マスター。いつ後ろを狙い撃ちにされるかわからないのだぞ?」
「そいつは聞き捨てならねぇな?手前の方こそ、物騒なことを考えているんじゃねぇ か?」
売り言葉に買い言葉で、アーチャーの目の前に碧の衣をまとったダン卿のアーチャーが現れた。

「アーチャー、わかっているな?学園での戦闘は…」
「はいはい、わかって ますよ。旦那には従いますって。」
かくして、ダン卿とそのアーチャーは去っていった。

隣でオレのアーチャーがぼやくように呟く。
「マスター、ダン卿を見習 うのは構わないが…、ダン卿のサーヴァントを真似するようなことは…」
「わかってるよ。ダン卿はオレの心の…師だ。だけどな、オレが生き方を見習っている のは…お前だから、アーチャー。」
「マスター…」



男主&弓 男主と弓の師弟愛・・・友情。

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